建築領域におけるインターンシップのあり方についての考え方の整理 および RFA2019年度夏期インターンシップ募集

Update Date: 2019.08.01

2019年8月1日
RFA主宰 藤村龍至

RFAでは下記の通りインターンシップについて考え方を整理した上で、2019年度夏期インターンシップの参加者を募集致します。奮ってご応募下さい。

(夏期インターンシップの募集は締め切りました。多数のご応募ありがとうございました。)

インターンシップの基本的な考え方
就業体験を目的とするインターンシップはアメリカで活発に行われ、わが国では1997年の3省(文部科学省・経済産業省・厚生労働省)合意を経て2000年代から徐々に広まり、現在では「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」として定着しています*1。
ところが2000年代後半にかけて就職活動生の囲い込みや旅館業などで接客を希望する学生に清掃をさせるなどの実態が生じ、2010年に東京新聞が「名ばかりインターン」と名付けて問題化したことなどから社会問題化し、現在では企業が参加者に「労働者性」が高い作業をさせる場合には有償という考え方が浸透しています。
現在、日本の教育・産業・労働各行政は基本的にインターンシップを推奨していますが、文科省は「就業体験を充実させ適正を見極めるため」といい、経済産業省は「人材の確保や職場の活性化のため」といいながら厚生労働省は「見学等はOKだが企業の収益に係る作業に従事させると「労働者性」が高くなるので対価(東京都最低賃金の支払いが必要」であると省庁によってやや立場が異なり、基本的な考え方でも「個別に大学等と企業等が協議して決定することが適切であると考えられる」と曖昧な書き方がなされています。
*1 文部科学省「インターンシップの推進に当たっての基本的な考え方」
*2 厚生労働省「労働者性について」
*3 日本学生支援機構「インターンシップの基本的な考え方と政策の考え方」

建築領域におけるインターンシップのあり方について
RFAでは建築領域におけるインターンシップに対し、以下のように課題を整理しました。
1.労働行政の制度的欠陥
労働に関する最低基準を定めた労働基準法が最低基準についての法制度に留まり、よりよい働き方や産学連携のあり方を促進する法制度になっておらず、建築領域における実務研修は医療などと同じく職業特性上必須であるにも関わらず労働行政のなかで位置づいていないのは少なからず法制度面での欠陥であり、学会等を通じた社会への問題提起と幅広い議論が必要であると考える。
2.本来目指すべきは運用の適正化
建築領域で行われてきた「オープンデスク」は適正な運用を維持する限り就業体験参加者への教育コストを報酬と相殺することで門戸を広く開くことができ、学生にとっては就業体験を通じたスキルや意欲の向上につながると共に、受け入れる事務所側としても多くの学生との出会いが業務の活性化にも寄与してきた経緯があるが、一部の事務所において就業体験の範囲を超えて責任ある業務を依頼しておきながら無償のまま長期間労働を強いたり、就職活動の囲い込みに用いられている実態があるとすれば建築領域全体の問題として看過できない。その際、議論されるべきは運用の適正化についてが本来であろう。
3.労働者性
とはいえ現状の制度下では「オープンデスク」制度のもとプレゼンテーション用など業務に使用する目的で模型製作等の作業を学生に依頼した場合「労働者性」が高いと判断されることには留意する必要がある。将来的には学生の教育訓練や企業と学生のマッチング、より活発な産学連携のために効果的な教育貢献メニューを提示した事業者等に労働基準法の規制緩和を行う「産学連携特別措置法」のような法制度の創設を期待するが、現状では諸般の事情を鑑み「オープンデスク」は停止せざるを得ない。模型作業等「労働者性」がある作業を依頼する場合には最低賃金以上での報酬を支払う、もしくは「事業者性」の高い場合には成果報酬を支払うのが妥当である。
4.教育格差の拡大
こうした判断は「公募による就業体験の受け入れ」よりも「有能なアルバイトを探す」という立場を取らざるを得ず、「広く学生を受け入れ、育てる」という考え方は成立しにくくなり、アルバイトは継続的に雇用したほうが技能が向上するため募集は原則として近隣の学生を対象とする等、地方や遠距離の大学の学生にとって不利となり、教育上の格差は拡大するものと思われる。

RFAインターンシップ・プログラムの方針
RFAでは上記のような問題意識のもと、下記の通りインターンシッププログラムをご提供します。
1.バラエティに富んだプログラム
建築設計やそのプレゼンテーションのみならずリサーチ・アーカイブ・広報・まちづくりなどRFAの業務を幅広く経験して頂き、参加者の適正と関心を喚起するプログラムとします。
2.報酬
「労働者性」の高い作業に従事した場合は時間に応じて報酬をお支払います。
・「労働者性」の高い作業の例
  建築のプレゼンテーション資料(模型およびパース等)の作成
  鳩山町コミュニティマルシェの施設管理業務の補助
  資料等の整理
・「労働者性」の低い作業の例
  ミーティング等への参加
  現場や竣工作品の見学、レクチャー等への参加
  まちづくり活動の見学、ボランティア活動等への参加
  テーマを設定したリサーチ等への参加
労働者性が発生する業務かどうかは厚生労働省「労働者性について」を参照しつつ、RFAと参加者の双方が判断の上、決定することとします。
3.滞在場所と交通費の支給
今回限りの試みとして、遠隔地からの参加を促すため、インターンシップ参加者にRFAで設計・監理した「はとやまハウス」を滞在場所としてご提供します。
・参加者は原則、ホームステイ(短期滞在)していただきます
・上記の短期滞在は鳩山町のまちづくり現場体験の一部であり、RFAが管理運営事業を行う公共施設「鳩山町コミュニティマルシェ」での業務体験も経験していただきます
・鳩山町からRFA(上野)までの交通費は支給します

2019年度夏季インターンシップ・プログラム募集要項
1. 対象
・大学等で建築・都市・まちづくりを学んでいる方
・RFAを含む設計事務所への就職に関心がある方
・期間中原則毎日通える方
2. 期間
(a)8/19(月)-8/30(金)
(b)9/2(月)-9/13(金)
(c)9/17(火)-9/27(金)
3. 内容
・上記インターンシップ・プログラム参照
4. 条件
・毎日10:30開始18:00終了
・土日祝日休
・食事支給(昼食)あり
・滞在場所提供(鳩山)あり
・交通費(鳩山⇔上野)支給あり
5. 応募方法
以下の内容を記載し、件名を「2019夏季インターンシップ申込/氏名」とした上で、下記メールアドレスまでご連絡ください。応募に必要な書類をお送りいたします。
(1)氏名
(2)学校(研究室)名・学年 ・年齢
(3)携帯電話番号
(4)希望の期間 (第一希望/第二希望)

6. 定員
・各期間最大4名
7. 締切
・8/7(水)17:00
8.備考
・模型道具等はこちらで用意しますので必要ありません
・ポートフォリオがある場合は初日にご持参ください

9.応募先
株式会社アール・エフ・エー 担当:大平
design(at)ryujifujimura.jp

注意
・スパムメール対策のため@を(at)にしています メールを送る時はお手数ですが(at)を@に変えてご使用下さい
・携帯アドレスからのご応募はご遠慮下さい