広島市の中心部に建つ共同住宅である。1階を駐車場として最大限活用する方針や水回りの寸法、全体高さとのバランスなどから、1辺が2750mmの立方体を基礎単位とした壁式の構造とし、外形を凹凸させることで全室が異なる性格を持ちながら各方位に等価に開き、室同士のずれが平面および断面方向に斜めの関係をつくる構成とした。広島市景観計画および周辺の実踏調査、RC打放しや既製品との相性などをもとに、外壁は2.5Y系の暖色系低彩度色を基調に明度を抑え、周辺との調和に配慮しつつ個性が浮かぶ配色とした。またエントランスの路地の奥に飲食店を設け、共用階段を建築の外周部を回遊するように配列し、各住戸に専用庭のようなバルコニーやテラスを設けるなど、住民同士のコミュニケーションを誘発する仕掛けを盛り込むことで、日中家で仕事をする人も、隣人の空気を感じながら暮らすことのできる都市型集合住宅のかたちを探そうとした。
Project Date: 2024.03.14
所在地:広島県広島市
竣工:2023年
写真: 長谷川健太